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気温だけでは足りない!暑さ指数(WBGT)で本当に危険な暑さを見極めましょう

 

暑さが本格化する季節。

気を付けたいのは熱中症ですね。

 

テレビや天気予報でよく耳にする「最高気温」ですが、それだけを見て熱中症の危険を判断するのは実は不十分です。

 

近年注目されているのが、「暑さ指数(WBGT)」という指標があります。

 これは気温だけでなく湿度や日光の強さを含めた、より体感に近い危険度を表す数値です。

 

「暑さ指数(WBGT)」は、アメリカで開発された指標で、現在は日本でも熱中症予防の重要な基準として環境省などが導入しています。

 

暑さ指数は以下の3つをもとに計算されます:

 ① 気温

 

 ② 湿度

 

 ③ 輻射熱(日射しの強さなど)

 

つまり

「気温が高くても風通しがよく湿度が低ければ安全」、「気温がそこまで高くなくても湿度が高く風がないと危険」

ということになります。

 

 

たとえば、同じ30℃の気温でも:

 

湿度  WBGT(目安) 危険度

40%  約24℃     警戒

70%  約28℃     厳重警戒

85%  約30℃以上   危険

 

このように、湿度が上がると暑さ指数も急激に上昇し、体温調節が効かなくなるため、熱中症のリスクが大きく高まります。

 

環境省の「熱中症による救急搬送人数」の統計によると、気温が30℃前後でも湿度の高い日に搬送数が急増する傾向があります。

 

 

総務省消防庁の発表によれば、2023年の夏には全国で7万人以上が熱中症で救急搬送されました。

そのうち、約40%は日中の活動中に発生しています。

 

特に注目したいのは、「気温が35℃に届かない日」での搬送が多いこと。

これはまさに、湿度と直射日光の影響といえるでしょう。

 

暑さ指数は以下のように分類されています:

 

暑さ指数(WBGT)   危険度   行動の目安

28~31℃以上     危険     外出・運動は原則中止、屋内でも冷房活用

25~28℃       厳重警戒   高齢者や子供の外出制限、こまめな水分補給

21~25℃       警戒     休憩と水分補給を忘れずに

21℃未満       注意     通常の注意でOK

 

暑さ指数は以下のサイトで確認できます。

環境省「熱中症予防情報サイト」

 

 

 

毎朝の「気温」だけでなく、「暑さ指数」もチェックする習慣を取り入れることで、熱中症のリスクを大幅に減らすことができます。

 

 

 

「今日はまだ気温が30℃に届いてないから大丈夫」と安心していませんか?

実はそれが、熱中症の落とし穴です。

湿度や日射しも含めた「暑さ指数」こそが、あなたの体にとっての真の暑さです。

 

命を守る行動の第一歩として、暑さ指数を意識してみましょう。